その他の記事
世代を超えて

一面にフレスコ画が描かれている壁。その傍のテーブルに座る父と息子。バロック様式の館を社屋とするベネトン本社は、北イタリアの都市トレヴィーゾの郊外にあります。

楽園の救済

ガラパゴス諸島の魅力溢れるユニークな自然。この島で見られる豊かな動植物には、人々の心を揺さぶる美しさがあります。

ボルボ・オーシャンレース・トラッカー

こちらのインタラクティブツールで、白熱するボルボ・オーシャンレースの進展を追跡していただくことができます。

最高のドライバーに最高のヘルメットを

ドイツのマクデブルクに拠点を構え、長い伝統を受け継いできたヘルメットメーカーのシューベルトは、2000年からフォーミュラ・ワン(F1)の公式サプライヤーを務めています。「最高のドライバーに最高のヘルメットを」が同社のモットーです。事実、シューベルトのヘルメットを選んだドライバーたちは、計5回も世界チャンピオンに輝いています。

Grande Complication Dial Explained
小さな世界

世界は時間とともに動いています。IWCの「ポルトギーゼ・グランド・コンプリケーション」は、そのような時間をあらゆる尺度に集約したようなデザインで、控えめながらも美しく設計されたこのタイムピースの文字盤には、傾いた地球が彫り込まれています。

第五章:時計のメンテナンス方法

IWCの時計をお買い上げの皆様は、至高の技術の賜物である卓越した品質を堪能されていることでしょう。

たゆみない進化がもたらす発展

今年の主役は「アクアタイマー」。IWCの伝説のダイバーズ・ウォッチ・コレクションに、新しいタイムピースが加わります。全モデルにIWCのエンジニアが開発したセーフダイブ・システムが搭載され、ダイビングの安全性と利便性が向上しています。IWCは今日まで50年間、水中での使用のために設計された時計る技術革新を牽引し続けています。

インスティチュート・オブ・スイス・
ウォッチメイキング(IOSW)

高級時計の需要がますます高まるにつれ、その製造に携わる有資格の時計職人に対する需要もさらに増加をたどる一方です。

エクスペリエンス

ドラゴンの棲む島 - ガラパゴス諸島

テキスト — Dirk C. Rheker 写真 — Michael Muller 日付 — 2014年2月6日

共有:
Iguana

半世紀以上にわたり、チャールズ・ダーウィン財団は、有名なガラパゴス諸島に生息する動植物相を調査研究すると共に、このユニークな自然の楽園を保全する活動に取り組むエクアドル政府のアドバイザーも務めています。今回は、そうした進化を守る人々のもとを訪れたときの模様をご紹介します。

赤みを帯びた輝きを放つ太古から生息するドラゴンが、1メートルを超えるその体を乱暴に左右に揺すっています。カロリーナ・ガルシア・パラと彼女のアシスタントは、尾を握ってこの巨大なトカゲ類の動物を捕まえ、地面に押さえつけると、素早くその首をつかみました。すると、その背中には突起が現れ、堅いタテガミのような鱗が形成されます。映画『ジュラシック・パーク』に登場する恐竜さながらの風貌です。注射器を手に、ガルシア・パラは慣れた手つきで数滴の血を抜き取ると、この動物を放します。するとウミイグアナは、安全な場所を探して黒々と光る火成岩の背後に慌てて逃げ去ったのです。「過去1週間だけでも、ここサンタクルス島で数匹の大きなウミイグアナの死骸を見つけました」と、チャールズ・ダーウィン財団で働くこの獣医は自分のミッションを説明する中でこう語ってくれました。「現在、ガラパゴス国立公園のパークレンジャーたちと協力して、ウミイグアナの正確な死因を突き止めようとしています。」

サンタクルス島では、謎めいた病気がトルトゥーガ湾に、そしてさらにチャールズ・ダーウィン財団の入り江にあるコロニーにさえも広まり、その後ラスパルマスでは最終的に30匹ほどのウミイグアナの死骸が見つかりました。さらに、フロアレナ島に暮らす多くの動物たちも影響を受けました。ガラパゴス諸島全体で死んだウミイグアナの数は150匹近くに上っています。この疫病の原因を見つけ出すために、ガルシア・パラは、死んだウミイグアナの組織と共に、健康なオスから採取した血液サンプルを米国のゲインズビルにあるフロリダ大学のこの分野を専門とする研究所に送る予定です。「おかしなことに、見たところ死んだウミイグアナ全てが比較的栄養状態がよく、胃の中には植物や紅藻類がまだ消化されずにそのまま残っていました」と語るガルシア・パラの声は心配そうです。水のサンプルはすべて問題ないことが分かったので、水は動物たちの死因から除外されました。「幸いなことに、サンクリストバル島とサウスプラザ島では死骸が見つかりませんでした」とガルシア・パラは、安堵のため息をつきながら、話を続けました。

ガラパゴス諸島では、ほとんど神話のような自然の決まりごとを目の当たりにすることができます。

—カロリーナ・ガルシア・パラ、獣医

それはさながらエデンの園で演じられているドラマのようです。こういったことを初めとするさまざまな研究調査は、ガラパゴス諸島で働くようになって2年半になるスペイン・バルセロナ出身の若き獣医、ガルシア・パラの日課の一部です。チャールズ・ダーウィン財団で働く他の高名な生物学者、海洋学者、鳥類学者、植物学者などと協力し合いながら、ガルシア・パラは、自分の専門知識や能力を活かして、ガラパゴス諸島の自然を守るために活動しています。チャールズ・ダーウィン財団は、1959年にユネスコの支援を受けて設立され、以来、繊細にして貴重なガラパゴス諸島の生物生息空間の調査研究を広範に行なってきました。同財団はまた、「隔絶された楽園」として世界自然遺産に登録されたこの驚異的な島々の保全に関して、エクアドル政府に積極的にアドバイスを行う役割も担っています。

ガラパゴス諸島に一歩足を踏み入れた瞬間に、私たちはユニークで神秘的なその景観に釘づけとなりました。ごつごつとした沿岸部は火成岩でできており、焼き焦げて荒涼とした斜面には、サボテンやビャクダンの木がほとんど奇跡的に生育しています。内陸部には緑が生い茂る高地があり、気候は寒冷湿潤で、そびえ立つ山頂は、わずかに霞む霧に永久に覆われているかのように見えます。この火山性群島が太平洋の海底から隆起して誕生したのは、今からおよそ500万年前のことで、南米大陸とこれまで一度も地続きになったことがありません。ガラパゴス諸島に生息するユニークな動物相は、海によって隔てられている約1000キロメートルも先の南米大陸からこうした島々に偶然たどり着いたものばかりです。風に乗り、あるいは寒流に運ばれての体力を使い果たした旅路の末、動物たちは、ごつごつとした溶岩ばかりの土地で生きていくための困難に直面します。そうした中で生き延びた動物たちが、息を呑むほどに美しくも、生きていくにはきわめて過酷なガラパゴスの独特な環境への並外れた適応能力を獲得することになったのです。

ガラパゴスに見られる動植物の複雑な生態系は、世界でも他に類を見ないものです。「ガラパゴス諸島に生息する動物種の4分の3が固有種です」と語るのは、チャールズ・ダーウィン財団の理事を務めるドイツ人のスヴェン・ロレンツです。「巨大なガラパゴスゾウガメ、ダーウィンフィンチ、ウミイグアナの3種は、世界の他のどこを探しても見つけられません。」ところが、この楽園が、人間による土地開発、外来種の侵入、魚の乱獲、気候変動などにより、絶滅の危機に瀕しています。チャールズ・ダーウィン財団によるガラパゴスのユニークな生態系を守るための奮闘がなければ、こうした島々の自然はとうの昔に本来の姿を失ってしまっていたことでしょう。現在、100名を超す科学者、学生、ボランティアが、ガラパゴスの生態的な利益と経済的な利益とを組み合わせ―理想的には―両者の利害を調整さえする、科学的研究に裏打ちされた啓蒙活動に熱心に取り組んでいます。

Galapagos Island Map
—ガラパゴス諸島は18の小さな島々から成り、その他にも3つの小さな島と107の岩や小島も含まれます。

着実に増え続ける観光客、それに関連してのゴミや下水の増加、油汚染事故、細菌・害虫・外来種などによって、ガラパゴス特有の動植物相が深刻に脅かされるようになったのは、ここ数年のことです。チャールズ・ダーウィン財団からの粘り強い働きかけを受けたエクアドル政府は、ようやくガラパゴス諸島を救うための活動を開始します。例えば、不法に島々を占拠していた人々には、本土に戻るよう命令が出されました。また、観光目的でのツアーも厳しく規制され、ガラパゴスの人口が自給自足できるレベルに近づくようにするシステムも考案されました。これによって諸島に送り込まれる物品の量が激減したことで、外来動物種の侵入やそうした動物が持ち込む病気の脅威も和らいだのです。さらに、太陽光発電や風力発電をベースとする再生可能エネルギー供給も強力な後押しとなっています。こうしたさまざまな方策が組み合わされた結果、ガラパゴス諸島は、残念ながら2007年に加えられてしまった絶滅の恐れがあるとするユネスコの「レッドリスト」から無事除外されたのです。「誰もが破滅する運命にあると予想していたにもかかわらず、ガラパゴス諸島がここまで辿り着くことができたのは、まさにサクセスストーリーと言えるでしょう」とロレンツは力を込めます。

IWCシャフハウゼンが、この生態系の宝石を支援し、守っていく仲間の一員になったのは、科学界がチャールズ・ダーウィンの生誕200年を祝った2009年のことでした。「IWCからの多大な支援がなければ、私たちの仕事はほとんど不可能でした」とロレンツは続けます。にもかかわらず、資金が限られているという制約が常に存在する状況が、財団で働く科学者たちにより創造的なアプローチを取るよう強いることもしばしばです。現在、ロレンツと彼が率いるチームは、インターネットや最新の通信技術を活用しながら、この南太平洋に浮かぶ「ノアの箱舟」が今も直面し続けている危険や脅威に関して世界中の人々の関心を喚起させることにその努力を集中させています。

誰もが破滅する運命にあると予想していたにもかかわらず、
ガラパゴス諸島がここまで辿り着くことができたのは、まさにサクセスストーリーと言えるでしょう

—スヴェン・ロレンツ、チャールズ・ダーウィン財団理事

この財団の研究所で働くことは、獣医のカロリーナ・ガルシア・パラにとって、まさしく夢にまで見た仕事でした。「生物学者であれば誰でも、ガラパゴス諸島では、地球上でもごくわずかの場所で見られるだけの本当に独創的な、ほとんど神話のような自然界の決まりごとを目の当たりにすることができます」と彼女は言います。この地を守ることは、単に、大陸からはるか離れた海に浮かぶ岩だらけの群島を救済する以上のことを意味しており、つまり、世界中で母なる自然に対しては、より寛容なアプローチが必要であることを証明する象徴的意味合いもあるのです。

私たちが海岸に戻ると、かの有名なウミイグアナたちがゆっくりと海の中に戻っていくところで、藻場の中で餌を採るために勢いよく消えていきました。赤道直下の太陽が、黒々とした火成岩に燃えるような暑さで降り注いでいます。何百匹ものウミイグアナたちが、崖の上に所狭しと横たわり、日光浴をしています。その姿はまるでミニチュアのドラゴンです。「グレムリン・オブ・ダークネス」。英国人科学者ダーウィンは、1835年にガラパゴス諸島を初めて訪れた後、ウミイグアナたちをこのように冷淡に呼び、有名な進化論を展開し始めます。コブだらけの塩で覆われた頭部、首から尾にかけて伸びる先の尖ったタテガミ状の鱗によって、その姿は、かわいらしいと呼ぶには程遠いものです。さらに、迫力のある爪、左右に大きく離れた目、口を開けるたびに見える真紅の舌、鋭く尖った上下の歯、そしてその原始的な風貌は、地球の歴史が始まったばかりの遠く過ぎ去った時代の遺物のような印象を受けます。

その一方で、美の基準は人によって異なるものだとも言えます。カロリーナ・ガルシア・パラが、「Amblyrhynchus  cristatus」という学名を持つウミイグアナを見たとき、彼女はその生物を、ガラパゴス諸島の非常に興味深い多様性の一部ととらえ、言葉では十分に言い表すことができないある種魔法のような魅力を持っていると感じたと言います。「自分で身をもって体験しなければそれは分かりません。」スペイン出身の科学者は、別れ際にこう言い残しました。「ここガラパゴスを構成するひとつひとつの島がまるで宝石のような存在で、それぞれが私たちを永遠に虜にしてしまうことができるほどの独自の輝きを放っているのです!」

Galapagos Iguana underwater
—ガラパゴスウミイグアナには、トカゲのように、海の中に潜り、餌を捕獲する能力があります。成長したオスになると水中を9メートル以上潜ることができます。平たく伸びた尾と先の尖った背びれで海中を進んで行く一方、長く鋭い爪が急流の中でも岩にしっかりと身体を固定させます。

「やるべきことはまだたくさんあります」

スヴェン・ロレンツ  インタビュー

ガラパゴス諸島を救うことはできるのでしょうか?
スヴェン・ロレンツ:私は、固くそう信じていますよ!誰もが破滅する運命にあると予想していたにもかかわらず、ガラパゴス諸島は素晴らしいサクセスストーリーとなりましたからね。長年にわたり、エクアドル政府とガラパゴス国立公園サービスが、この諸島固有の価値がいかに貴重であるかということへの意識を高めるための活動を共同で展開しています。現在も行なわれている科学的な研究によって、私たちチャールズ・ダーウィン財団も、彼らが成し遂げたことに対して多少なりとも貢献できているのではないかと考えています。さらに、環境復元のための努力には、ガラパゴス諸島を本来の状態に戻すよう考案された非常に具体的な方策も含まれています。

例えば?
ひとつは、さまざまなガラパゴス固有種の脅威となっている外来ネズミ類の駆除です。2020年までにガラパゴスのすべての島からこうしたネズミ類を完全に駆逐することを目指しています。もうひとつの例として、ブラックベリーなどの外来植物種の拡散を抑える手段を見つけ出すための植物学者たちの研究活動が挙げられます。また、幼鳥の血液を餌とし、鳥の巣の中で幼虫が成育する、貨物船によって運び込まれる学名を「Philornis  downsi」というハエの種にどうしたら効果的に対処できるかを見つけ出すための研究活動も行なわれています。

しかし、進化もガラパゴス諸島の自然の一部であり続けているというダーウィン的事実を受け入れなければならないのではないですか?
それは違います。実際、ここでは自然の進化の過程自体が甚大な脅威にさらされているのです。昔はガラパゴスで鳥の種が絶滅に瀕したことはありませんでした。それが今ではハエの存在自体が複数の鳥の種に脅威を与えていて、その中には数種のダーウィンフィンチも含まれています。

侵入動植物種との闘いは非常に広範囲にわたると思いますが、そうした活動のための資金はどこから得ているのですか?
観光業が今も重要な収入源のひとつであり続けています。ですから、観光客も、その足跡以外を島々に残さない限りは、大歓迎なのです。私たちは実際、今後、絶え間なく訪れる観光客を有効に活用していくことを計画しています。現在、ガラパゴス諸島到着と同時に観光客の皆さんがダウンロードすることができ、諸島にいる間にその人が何を見て、どんな経験をしたかの情報を収集できるアプリを開発中です。これによって、これまで収集するのに何年もかかっていた貴重なデータが集められることになります!

今では、グーグルのストリートビュー機能を使って、ガラパゴス諸島のバーチャルツアーが楽しめ、海岸からダイビングすることさえできます。
ええ。これは、私たちが考案し、グーグル・マップス、カトリン・シービュー・サーベイ、ガラパゴス国立公園サービスの協力によって実現したものです。画像は車からではなく、360度の撮影が可能な上部に撮影システムを装備したバックパックであるストリートビュートレッカーを背負ってのハイキング中に撮影したものです。すごい機材でしたよ!そして、世間の注目を集め、それによってこの繊細にして貴重な楽園に対する認識を高めてもらうための新しい道を開く素晴らしい方法でもあります。

Swen Lorenz
—ガラパゴス諸島の植物相の保護にも動物相の保護にも熱意を燃やす、ドイツ生まれスヴェン・ロレンツは、2011年からチャールズ・ダーウィン財団の陣頭指揮を執っています。
 
Spotted Eagle Ray Galapagos
—ガラパゴス諸島でのダイビングは、マダラトビエイ、エキゾチックなサンゴ礁に棲む魚たち、シュモクザメにも出会える至福の体験となります。ですから、プロ・アマを問わず、ダイバーの誰もが、この群島を「世界の海の七不思議」のひとつに挙げているのも驚くにはあたりません。
その他の記事
世代を超えて

一面にフレスコ画が描かれている壁。その傍のテーブルに座る父と息子。バロック様式の館を社屋とするベネトン本社は、北イタリアの都市トレヴィーゾの郊外にあります。

楽園の救済

ガラパゴス諸島の魅力溢れるユニークな自然。この島で見られる豊かな動植物には、人々の心を揺さぶる美しさがあります。

ボルボ・オーシャンレース・トラッカー

こちらのインタラクティブツールで、白熱するボルボ・オーシャンレースの進展を追跡していただくことができます。

最高のドライバーに最高のヘルメットを

ドイツのマクデブルクに拠点を構え、長い伝統を受け継いできたヘルメットメーカーのシューベルトは、2000年からフォーミュラ・ワン(F1)の公式サプライヤーを務めています。「最高のドライバーに最高のヘルメットを」が同社のモットーです。事実、シューベルトのヘルメットを選んだドライバーたちは、計5回も世界チャンピオンに輝いています。

Grande Complication Dial Explained
小さな世界

世界は時間とともに動いています。IWCの「ポルトギーゼ・グランド・コンプリケーション」は、そのような時間をあらゆる尺度に集約したようなデザインで、控えめながらも美しく設計されたこのタイムピースの文字盤には、傾いた地球が彫り込まれています。

第五章:時計のメンテナンス方法

IWCの時計をお買い上げの皆様は、至高の技術の賜物である卓越した品質を堪能されていることでしょう。

たゆみない進化がもたらす発展

今年の主役は「アクアタイマー」。IWCの伝説のダイバーズ・ウォッチ・コレクションに、新しいタイムピースが加わります。全モデルにIWCのエンジニアが開発したセーフダイブ・システムが搭載され、ダイビングの安全性と利便性が向上しています。IWCは今日まで50年間、水中での使用のために設計された時計る技術革新を牽引し続けています。

インスティチュート・オブ・スイス・
ウォッチメイキング(IOSW)

高級時計の需要がますます高まるにつれ、その製造に携わる有資格の時計職人に対する需要もさらに増加をたどる一方です。