その他の記事
研究所でのテスト

IWCシャフハウゼンでは、タイムピースの新モデルに厳しいテストを課しています。この一連のテストは、温かい塩水槽に長期間浸したり、過酷な環境を再現した試験室に隔離したりと、最大で50段階もの独立したステップで構成されています。こうしたすべての工程を経てこそ、時計が最終的にお客様のお手元に届いた後、日常生活やさらに厳しい条件下での使用に適した機能が確保されるのです。

Sound_check_engine_AMG_972x426
音の追求

高い技術力を誇るメルセデス・ベンツの子会社が製造した、轟音を放つ大型のエンジン。力強く荒々しい音を立てて始動し、その数秒後には低く唸るような音が迫力のある爆音に変わります。

HALF_WAY_TO_THE_MOON_Trucks_972x426
その距離、実に地球から月までの半分

メルセデスAMGペトロナス フォーミュラ・ワン™ チームにとって、フォーミュラ1(F1)グランプリへの参戦は、1万個ものパーツで構成される30トンに及ぶ資材と60名は下らない従業員を五大陸にまたがる世界各国のサーキットに送り込むことを意味しています。各目的地においてすべてが予定どおりに到着することを確実なものとしなければならないのは勿論のこと、そのために、システマティックであると同時に、臨機応変に状況に対処することも求められます。

Grande Complication Dial Explained
小さな世界

世界は時間とともに動いています。IWCの「ポルトギーゼ・グランド・コンプリケーション」は、そのような時間をあらゆる尺度に集約したようなデザインで、控えめながらも美しく設計されたこのタイムピースの文字盤には、傾いた地球が彫り込まれています。

89800 Calibre Movement
永遠のデジタル表示

2009年に発表されたIWC製キャリバー89800は、デジタル日付表示の定義を塗り替えました。永久カレンダーのトリプルディスク機構は大型の日付表示と月表示を備え、閏年の周期がやや控えめに表示されています。

トップシークレット

フォーミュラ・ワン(F1)マシンの設計で最も重要な部分のひとつがエアロダイナミクス(空力)です。メルセデスAMGペトロナス フォーミュラ・ワン™ チームの代表ロス・ブラウンは、空力こそがマシンのパフォーマンスの決め手となる最も重要な条件であると言います。風洞がマシンの開発プログラムの心臓部である理由も、まさにそこにあります。

インヂュニア:伝説のストーリー

1955年にIWCシャフハウゼンが発表した「インヂュニア」は、旋風を巻き起こしました。その「インヂュニア」誕生の裏には、それよりも遥か昔1888年まで遡るストーリーがあったのです。

インスティチュート・オブ・スイス・
ウォッチメイキング(IOSW)

高級時計の需要がますます高まるにつれ、その製造に携わる有資格の時計職人に対する需要もさらに増加をたどる一方です。

エクスペリエンス

規則正しく時を刻むために

テキスト — ボリス・シュナイダー 日付 — 2014年7月3日

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IWC Oils

パワフルなスポーツカーのエンジンと機械式腕時計には、少なくともひとつの共通点があります。それは、可動部品を摩耗から保護するため、どちらも潤滑剤を必要とするということです。どの程度の重圧や負荷にさらされてきたかによって、ムーブメントの内部機構の約50カ所に、腕時計に特化して開発されたオイルやグリースが施されます。

機械式腕時計は、常に動き続ける複雑なミニチュア装置です。わずか数立方センチメートルのスペースに、バネや歯車など数百個もの部品が収納され、絶え間なく稼働しています。IWCシャフハウゼンで特殊ムーブメント組立部門の責任者を務めるハンスイェルク・キトラスは、「オイルがなければ、車も時計もあっという間に停止してしまいます」と説明します。この重要な一点においては、車も腕時計もまったく同じであるといえます。

腕時計のムーブメントには、お互いに常に擦り合わされて動く部品が多数含まれています。その結果として生じる磨滅で微細部品が破損し、精密なメカニズムを妨げてしまいます。高性能の自動車では、エンジンオイルがエンジンの摩耗を防いでいます。腕時計に搭載される高精度の機械式ムーブメントも同様に、テン輪の旋回軸を受け止める軸受部を始め、約50カ所を潤滑する必要があります。香箱の主ゼンマイ、巻上げ機構、脱進機械にもオイルを施さなければなりません。永久カレンダーなどの複雑機構を搭載するモデルでは潤滑ポイントが大幅に増加し、その数は3倍にも達することがあります。

「オイルがなければ、車も時計もあっという間に停止してしまいます」

—ハンスイェルク・キトラス、特殊ムーブメント組立部門責任者

ムーブメント全体に必要な潤滑剤は100万分の1リットル

複雑な限定モデルの場合は特に、潤滑作業に多大な忍耐を要し、手先の器用さと経験が求められます。ハンスイェルク・キトラスが、注油器のワイヤーを小さな容器の中に注意深く差し入れます。その先端の厚さは0.1ミリ以下です。彼は安定した手つきで、IWC製キャリバー94900の軸受石の窪みにオイルを1滴注入します。その滴はとても小さく、肉眼ではほとんど見えないほどです。腕時計のムーブメント全体の潤滑に必要なオイルは、1ミリリットルの1000分の1にすぎません。一方、高速で走るスポーツカーは、何リットルものエンジンオイルを消費します。

別の観点から見ると、時計のムーブメントと車のエンジンはまったく異なります。高性能スポーツカーのエンジン回転数は最大8000rmpにまで達しますが、腕時計のムーブメントの場合はもっと穏やかです。最も速く動く歯車である脱進機の回転数は、1分あたりわずか20回です。一方で、腕時計の内部条件について、キトラスは「回転数は比較的少ないですが、表面にかかる圧力は極めて高いです」と解説します。これは、女性のハイヒールに似ているといえます。ヒールの先端が細ければ細いほど、寄木細工の床により深い跡が付きます。1ミリにも満たない極細の旋回軸が軸受部に与える負荷は、それと同様に非常に大きくなります。

こうした特殊な条件に見合うよう、腕時計専用のオイルも同じように特殊な要件をいくつも満たさなければなりません。前世紀の1925年末頃までは、家畜の脚を煮出して抽出する「牛脚油」が潤滑剤として使われていました。この油の最大の欠点は、年月を経るにつれて急速に劣化することです。特殊化学品業界は、50年ほど前に、特定の目的に即した性質を持つ腕時計専用の合成オイルの開発に着手しました。このような高価なハイテクオイルは、長い時間を経ても濃度が増したり蒸発したりせず、腐食と酸化に対する強い耐性を発揮します。

IWC Watchmaking
IWC Lubrication
IWC Movements

特有の性質を持つ様々な潤滑剤

現在の時計製造では、明確な目的に即した多様なオイルとグリースが必要とされます。香箱から二番車周辺までは、動きが低速でかなりの負荷がかかるため、比較的粘性の高いオイルが用いられます。このオイルが、高圧に耐え得る安定した膜を形成します。主ゼンマイからの距離が離れるにつれて速度が上がり、負荷が軽くなります。例えば、四番車と脱進機には、ムーブメントができるだけ自由に動けるよう、濃度の低いオイルが使用されます。

最適な潤滑剤を決定するもうひとつの要素は、使用されている素材です。例えば、スティール製の旋回軸を受け止める軸受部の素材が真鍮なのか、それとも人工石なのかで大きな違いが生じます。また、ごく微少なオイルの滴が広がり、ムーブメントの他の部品にまで浸透することがないという点も重要です。こうした事態を防ぐため、膜状のコーティングが施されます。潤滑ポイントにこの特殊な表面処理を施すことで耐油性の膜が形成され、オイルを適切な場所に留めておけるのです。

潤滑作業で最も難しいのは、おそらく脱進機の取り扱いでしょう。ガンギ車の3つほどの歯にごくわずかなグリースを塗布すると、それが2個のつめ石に伝わり、徐々に脱進機のすべての歯に均等に分配されます。レバー式の脱進機は時計全体の中でも最も厳しい検査を受ける組立部品であるため、しっかりとしたオイル膜は高性能の維持に欠かせません。

現在の時計製造では、明確な目的に即した多様なオイルとグリースが必要とされます

品質を高める自動潤滑

人間にとって、一貫した高い信頼性を維持しつつ、潤滑作業を継続することは極めて困難です。IWCシャフハウゼンで産業化部門の責任者を務めるマルクス・ビューラーは、「潤滑プロセスを段階的に自動化することで、大幅な品質改善が実現しています」と説明します。このプロセスを大きく前進させたのが、空気式の注油器です。この装置により、潤滑剤の滴を正確に同じサイズに揃えて注入できるようになりました。現在は特殊なロボットが同時に20カ所の潤滑ポイントに注油し、安定した高い品質水準を確保しています。今では、非常に重要な脱進機の注油さえも一部が自動化されています。

将来的には、部品に全く触れることなく、至近距離から狙った場所に潤滑剤を噴射できるようになるはずです。ここで使用されるジェットテクノロジーは、実は多くの人にとって馴染みのある技術です。というのも、家庭用のインクジェットプリンターと同じ原理だからです。また、ダイヤモンドに良く似たカーボンコーティングにも大きな期待が寄せられています。ムーブメント部品の表面に、卓越した硬度を備える極薄のコーティングを施して摩擦を劇的に減らすことで、潤滑剤が不要になります。しかしながら、コーティングが必要な部品が非常に小さいため、この方法はまだ満足できる水準に達していません。

すなわち、現状では徹底的な潤滑に勝る代替手段はまだ存在しないのです。しかし、いかに品質の優れた腕時計専用オイルであろうと、いつかはその効果がなくなります。微小粒子が不純物を生成するからです。そのため、スポーツカーと同様に、機械式腕時計も定期的なオイル交換を必要とします。整備士による車の点検頻度は年1回ですが、腕時計はもっと長く正確に作動し続けます。使用年月が5年を経過して初めて、時計職人がムーブメントを分解し、丁寧に部品を洗浄して不純物とオイルの残滓を取り除く作業が必要になります。この作業の最後に、時計職人は精密なメカニズムを再び組立て、必要な手順に従って綿密に潤滑します。こうすることで、次の5年間も腕時計が問題なく作動し、信頼できる時刻を表示することができるようになるのです。

IWC Watchmaking Tools
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IWCシャフハウゼンでは、タイムピースの新モデルに厳しいテストを課しています。この一連のテストは、温かい塩水槽に長期間浸したり、過酷な環境を再現した試験室に隔離したりと、最大で50段階もの独立したステップで構成されています。こうしたすべての工程を経てこそ、時計が最終的にお客様のお手元に届いた後、日常生活やさらに厳しい条件下での使用に適した機能が確保されるのです。

Sound_check_engine_AMG_972x426
音の追求

高い技術力を誇るメルセデス・ベンツの子会社が製造した、轟音を放つ大型のエンジン。力強く荒々しい音を立てて始動し、その数秒後には低く唸るような音が迫力のある爆音に変わります。

HALF_WAY_TO_THE_MOON_Trucks_972x426
その距離、実に地球から月までの半分

メルセデスAMGペトロナス フォーミュラ・ワン™ チームにとって、フォーミュラ1(F1)グランプリへの参戦は、1万個ものパーツで構成される30トンに及ぶ資材と60名は下らない従業員を五大陸にまたがる世界各国のサーキットに送り込むことを意味しています。各目的地においてすべてが予定どおりに到着することを確実なものとしなければならないのは勿論のこと、そのために、システマティックであると同時に、臨機応変に状況に対処することも求められます。

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89800 Calibre Movement
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2009年に発表されたIWC製キャリバー89800は、デジタル日付表示の定義を塗り替えました。永久カレンダーのトリプルディスク機構は大型の日付表示と月表示を備え、閏年の周期がやや控えめに表示されています。

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インヂュニア:伝説のストーリー

1955年にIWCシャフハウゼンが発表した「インヂュニア」は、旋風を巻き起こしました。その「インヂュニア」誕生の裏には、それよりも遥か昔1888年まで遡るストーリーがあったのです。

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