日付 — 2012年4月17日
2012年4月16日シャフハウゼン – アントワーヌ・ド・サンテグジュペリは存命中からすでに伝説の人でした。彼の文学作品は高い人気を博し、50以上の言語に翻訳されています。その冒険に満ちた人生と飛行に懸ける情熱もまた、人々を魅了してやみません。シャフハウゼンを拠点とするIWCは、「パイロット・ウォッチの年」である2012年、この情熱に満ちた偉大なるヒューマニストに、最先端時計製造技術に航空産業幕開けの時代への強い憧れを込めたクロノグラフを捧げます。
今から100年前、フランス南東部にあるアンベリユー=アン=ビュジェの飛行場で、一人の少年が、離着陸する飛行機を前にして目を輝かせていました。航空産業の黎明期にあって、これら大空に飛び立っていく飛行機やそれを操縦する大胆不敵な飛行士たちは、彼にとって心底魅力に満ちたものでした。少年はついに勇気を奮い起こし、操縦士のガブリエル・サルヴェスにベルトー=ウロブレウスキー機のコックピットに同乗させてほしいと願い出たのです。母親の許可を得ているという少年の作り話を半信半疑でサルヴェスは受け入れ、1912年7月の晴れ渡ったある日、12歳の少年アントワーヌ・ド・サンテグジュペリはこうして生涯忘れ得ぬ初めての飛行体験を果たしたのです。その後、世界的に有名な詩人、そしてパイロットとなる彼の人生を決定づけることとなる重要な経験でした。
IWCが捧げる6つ目のトリビュート「パイロット・ウォッチ・クロノグラフ」
「パイロット・ウォッチの年」である2012年、シャフハウゼンを拠点とするIWCから、サンテグジュペリにオマージュを捧げ、ステンレススティール製と500本限定生産の18Kレッドゴールド製の「パイロット・ウォッチ・クロノグラフ」が登場します。タバコカラーの文字盤、カーフスキン・ストラップ、クリーム色のステッチを特徴とするこのクロノグラフは、愛好家にとってひと目でそれとわかる、「サンテックス(サンテグジュペリの愛称)」モデルです。ポリッシュ仕上げとシルクサテン仕上げをバランス良く施し立体感を持たせた丁寧な表面仕上げが、時計全体の美しい外観のクオリティを引き立てています。文字盤のサンレイパターン仕上げも非常に印象的です。両面反射防止加工を施したサファイアガラスが急激な気圧変化にも対応します。シャフハウゼンで一貫して開発が行われた自社製キャリバー89361は、技術の粋を結集した傑作で、一つの積算計で長時間の計測が可能です。裏蓋には彼が最後に操縦した飛行機、ライトニングP-38の姿がエングレーヴィングされています。1944年7月31日、「サンテックス」は占領下のフランス上空をこの飛行機で偵察飛行中に、そのまま帰らぬ人となりました。2003年、地中海のマルセイユ沖で、このライトニング機の残骸が引き上げられました。
「この7年間、アントワーヌ・ド・サンテグジュペリ遺産管理協会とのパートナーシップを通して、フランスが誇る偉大なパイロットの
人生と、70年以上におよぶ歴史を有するIWCの伝統的な『パイロット・ウォッチ』を結ぶ絆が育まれてきました。
このことは私たちにとって非常に大きな栄誉です。IWCはこのパートナーシップの証として、卓越した詩人であり、
またパイロットであったサンテグジュペリを記念する新たなタイムピースを発表しました。この作品は、動力飛行の先駆者たちに
捧げる賛辞でもあります。『パイロット・ウォッチ・クロノグラフ“アントワーヌ・ド・サンテグジュペリ”』は、独自の技術的特徴と
コックピット計器にインスパイアされたスマートな外観を備える魅力的なメンズウォッチです。このタイムピースは、
初期の『パイロット・ウォッチ』から継承されている伝統に現代的な解釈を加えて誕生しました。」
—IWCシャフハウゼン CEO、ジョージ・カーン
実り多きコラボレーション
IWCシャフハウゼンとアントワーヌ・ド・サンテグジュペリ遺産管理協会(Succession Antoine de Saint-Exupéry-d’Agay)の共同推進プロジェクトの一環として、2006年に初めて、パリ近郊のル・ブルジェ航空宇宙博物館で墜落機の残骸およびその他の断片が展示されました。大盛況を博したこの展示会をきっかけに、サンテグジュペリの後継者とこのスイス時計メーカーとの間に強い信頼に基づいたパートナーシップが誕生し、今日に至ります。IWC、CEOジョージ・カーンは次のように語っています。「パイロット・ウォッチ製造の長い伝統を誇るIWCは、アントワーヌ・ド・サンテグジュペリとの強いつながりを感じています。わたしたちは、1936年に先見の明をもって航空技術に関する自身初の特許を取得した情熱あふれるこの技師に強く感化されました。その年はまさに、優れた技術の追求に突き動かされていたIWCが、初のスペシャル・パイロット・ウォッチを開発した年でもあります。命を懸けることも厭わず、技術の進歩に貢献したこの勇敢な飛行士にわたしたちは心からの敬意を表します。博愛精神に満ちた偉大な作家としても高く評価される彼の小説を読んで育った人も多いことでしょう。人間とは何か、幸福とは何かという問いかけは、彼の作品における重要なテーマでした。」IWCは、サンテグジュペリがわたしたちに残した冒険心に満ちた知的遺産の継承を目的として、彼の子孫によって運営されるアントワーヌ・ド・サンテグジュペリ遺産管理協会のパートナーを務めています。IWCの取り組みはまた、青少年のためのアントワーヌ・ド・サンテグジュペリ財団(Fondation Antoine de Saint-Exupéry pour la Jeunesse)への支援を通じた慈善事業にも及びます。『人間の真実とは人間を人間たらしめるものである』(『人間の土地』から引用)というサンテグジュペリの信条を原則とした人道活動を通して、同財団はパートナーとの協力の下、厳しく苛酷な生活環境で育つ世界中の青少年の支援にあたっています。こうした若者たちが自分の未来を築きあげ、社会の中で積極的な役割を担うよう促すものです。
アントワーヌ・ド・サンテグジュペリへのトリビュート
IWCでは、アントワーヌ・ド・サンテグジュペリ遺産管理協会とのパートナーシップを開始した年より、航空産業の黎明期と切り離すことのできないこのフランス人作家の作品に敬意を表して、「パイロット・ウォッチ」特別モデルを製造してきました。2006年に発表された「パイロット・ウォッチ・クロノグラフ」は小説『夜間飛行』に捧げたモデルでした。2007年の「パイロット・ウォッチ・オートマティック」は読む者の心を捉えて離さない『南方郵便機』、2008年の「パイロット・ウォッチ・UTC」は詩情あふれる『人間の土地』への賛辞でした。2009年と2010年には、生涯に渡って生み出された彼の文学作品全体に敬意を表した「ビッグ・パイロット・ウォッチ“アントワーヌ・ド・サンテグジュペリ”」が発表されました。2011年には極めて特別なハイエンドモデルとして「ビッグ・パイロット・ウォッチ・パーペチュアル・カレンダー」が登場。そして、IWCの「パイロット・ウォッチの年」にあたる2012年の新作「パイロット・ウォッチ・クロノグラフ“アントワーヌ・ド・サンテグジュペリ”」は、パイロットであり、詩人、ヒューマニストでもあったサンテグジュペリの大いなる情熱の原点へと迫ります。
航空界のパイオニアが生きた冒険に満ちた生涯
アントワーヌ・ド・サンテグジュペリの伝記は、近代航空産業の年代記として読むことができます。1900年リヨン生まれの彼は、21歳で飛行士の訓練を受けて1922年にライセンスを取得。1927年にはトゥールーズ・カサブランカ・ダカール間の航空郵便輸送を担当し、同年、モロッコ奥地の飛行場長に任命されました。この時期の経験をもとにしたのが、処女作『南方郵便機』です。1929年、サンテグジュペリはブエノスアイレスで航空運輸会社の支配人となります。夜間定期路線便の導入により短時間での郵便輸送が可能になったとはいえ、当時の航空技術からするときわめて危険な飛行でした。『夜間飛行』は、こうした危険に立ち向かう勇敢な操縦士の姿を浮き彫りにした作品です。1931年には再び北アフリカで航空郵便の飛行士として働き、水上機でアフリカ全土の郵便輸送に従事したのもつかの間、彼の人生で最良の時期である航空郵便の時代は1932年に幕を閉じます。1935年、パリ・サイゴン間の長距離飛行記録に挑戦する途中、エジプト上空で機が故障して砂漠に不時着陸し、極度の脱水状態のところを助けられ一命を取りとめました。そして、二度目の挑戦も失敗に終わります。1938年に、ニューヨークからティエラ・デル・フエゴへと飛び立ち、寄航の後に墜落事故に遭いながら、奇跡の生還を果たしています。第二次世界大戦が勃発すると、有名パイロット・作家として名を知られた彼は偵察飛行隊に配属されました。1940年の休戦協定締結後に動員解除となりますが、1943年に軍事活動への復帰を許可されます。1944年7月31日、「サンテックス」(サンテグジュペリを敬愛する人々は彼をこう呼んでいました)は、ライトニングP-38機のコックピットに乗り込み、占領下のフランスへ偵察飛行に飛び立ちました。そして、ついに帰ることはありませんでした。
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