ムーンフェイズ
天文学的に観察すると月の正確な回転週期は、29日と12時間44分2.9秒ですが、従来のムーンフェイズ機構では、29.5日に切り下げられています。しかしながら、機械式の輪列に半日分を変換することは困難なので、シンプルなタイプのムーンフェイズ表示では59本の歯を設けた輪列を、29.5日周期2周分に用います。2015年に初めて発表されたキャリバー50000では、これまでより歯数の多い大きなムーンフェイズ歯車を用いることで、表示誤差を大幅に削減することができました。理論上では577.5年が過ぎて初めて、この時計を受け継いだ未来の所有者が、1日分の誤差の調整を専門家に依頼すればよいことになります。