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ダヴィッド・トゥタン、今日のメニューは?
配送について
有名シェフ、ダヴィッド・トゥタンの名を冠したレストランと、 シャンゼリゼ通りにオープンした新しいIWCブティックへ。 彼の料理創作の技術と、プロの厨房で刻まれる緊迫した時間について深く探りましょう
天才料理人、ダヴィッド・トゥタン。アラン・パッサールに師事し、21歳で副料理長に就任。アルプスではマルク・ヴェイラのもとで働きながら、山岳地帯の野草や花々を使い、独自の表現を活かした料理の腕を磨きました。
現在は自らの名を冠したレストランをパリに構え、誰の目にも明らかな才能を発揮しています。ミシュランの2つ星、ミシュラングリーンスターの1つ星を獲得したトゥタンは、この華やかな大都市でも傑出した存在です。自然こそが彼のインスピレーションの源であり、サステナビリティを重視し、小規模な生産者と提携しています。ポピー、パンジー、クイーン・オブ・ザ・メドウ、リエール・テレストルといったメニューに、トゥタンのユニークなアプローチが表れています。
サッカーと食べ物に対する情熱を融合させ、パリ・サンジェルマンチームと共にレシピ本も出版。米国から香港まで世界を股にかけて活躍し、次はバンコクへの進出を視野に入れています。
IWCジャーナルはこの有名シェフにインタビューし、彼の料理創作と時計製造の類似性についてお話を伺いました。
— 「ビッグ・パイロット・ウォッチ・パーペチュアル・カレンダー “ロデオドライブ”」(Ref. IW503001)を着用したダヴィッド・トゥタン
— トゥタンはグリーンミシュランの1つ星、レッドの2つ星を獲得
深いつながりの価値
あなたの厨房の雰囲気は?
誰もがとても集中しています。厨房では、異なる文化を持つさまざまな国から集まった約16人のスタッフが働いています。そのせいで時には問題も生じますが、互いに密接な絆を築き、とてもポジティブな雰囲気を生み出せていることに素晴らしさを感じます。私たち全員が、食べ物に対する深い情熱を共有しています。
あなたはどこでその情熱を見出したのですか?
15歳の時、仲の良い友人と一緒に料理学校に進むことを決意しました。学校生活を楽しめるようになるまで、3年か4年くらいかかりました。最初は自分で何かを決めることが許されないからです。まず、プロの厨房におけるさまざまな役割をすべて学ぶ必要がありました。私は今も、自分の厨房に来た新人には同じように学んでもらうよう心がけています。
— 自然から大きなインスピレーションを得ているダヴィッド・トゥタンのテーブルでは、野菜が主役
— 時を刻む ポルトギーゼ・クロノグラフ」(Ref. IW371491)を常に注視するデイヴィッド・トゥータン
ペースの速い厨房での時間
あなたの厨房では、時計はどんな役割を果たしますか?味方、それとも敵?
厨房ではすべてにおいてタイミングと温度が重要です。作業の一貫性を保ち、確実に管理できるよう、あらゆる場所にタイマーが置かれています。調理、コミュニケーション、お互いの調整において、タイミングが極めて大切です。費やせる時間は2分間、3分間、それとも90秒なのか。誰もが同時に準備にかかる必要があるのです。
料理と時計製造には共通点がありますか?
はい、私はあると思います。どちらも豊かな感受性を活かして、非常に繊細なものを創り上げる。情熱があるからこそ、なせる技でしょう。私は調和を保ち、タイミングを合わせることを非常に重視しています。すべてが同じ場所になければなりません。時計に1つの要素を加えることを忘れたら、作動しません。サイズ、重量、動きなど、すべてが意味をなす必要があります。料理も同じです。機械ではなく、人間が創作するものですから。そこには魂が感じられます。
第一線での活躍
これまでの人生で、時間を止めたいと思った瞬間はありますか?
1年間早送りしたいですね。本の数章を飛ばし読みするように、時計の針を回して時間を早送りして、1年後に何が起こるかを見てみたい。それができれば私もリラックスして、人生をもう少し楽しめるでしょう。身辺で厄介ごとを数多く抱えてしまわないように。
いい考えですね。あなたの生活で、普通の1日はどんな感じですか?
朝は6時半に起きて、7時頃にはレストランにいるようにしています。7時から8時まではミーティングを開いてレシピを検討。8時半に娘を学校に送ります。その後はここに戻り、立て続けにミーティングを行います。そして厨房を点検し、ランチタイムに向け作業を開始。午後と夕食の時間帯も同じです。その後、午前1時か2時頃に就寝します。
いつもそんなに忙しいスケジュールなのですか?
今は目が回るほど多忙です。でも日々の生活を整理できれば、うまく進んでいくものです。このレストランで働く人々は良い人ばかりで、全員が同じ姿勢を持っています。その影響で、ある種の勢いが生まれている。これは好ましいことです。
— 準備が重要:ミシュランの星を持つシェフが次の料理を準備
IWCの新ブティックがパリのシャンゼリゼ通りにオープン
パリの新しいIWCブティックにはもう行かれましたか?
ちょうど今朝、行ってきました。素晴らしかったです。急いで道を歩いていたらブティックが目に入り、なんて見事なんだろうと感動しました。思わず写真を撮って、友人に送りました。気品があり、個性的で、現代的かつ正統派。とても魅力を感じました。
— ビッグ・パイロット・ウォッチ・パーペチュアル・カレンダー 「ロデオドライブ 」IW503001を身に着けた「ラパルトマンIWC」のセレブリティ・シェフ
クリーン、ピュア、上品
今日あなたが着用しているタイムピースは?
今日は旧モデルの「ポルトギーゼ・クロノグラフ」(Ref. IW371491)を着けています。文字盤はブルー。シルバーの文字盤の「ポルトギーゼ・クロノグラフ」(Ref. IW371445)も持っています。どちらの文字盤も気に入っています。「ビッグ・パイロット・ウォッチ・パーペチュアル・カレンダー “ロデオドライブ”」(Ref. IW503001)も所有しています。クリーンでピュア、かつ控えめなマット仕上げです。とても美しくてエレガント。着用するだけで個性が加わり、使いやすいタイムピース。私の一部になっていますよ。
この先に期待できるプロジェクトはありますか?
今年の終わりには、バンコクに新しいレストランをオープンできる見通しです。香港には「フィーユ」というレストランをオープンしています。香港にぴったりな独自のコンセプトを持つ店で、非常に満足しています。地域の食材を利用するというアイデアに基いており、80%を香港、20%を中国本土から調達しています。店内では、印刷したメニューをお渡しません。その日に手に入る材料を使って料理を作るからです。
ダヴィッドさん、今日はありがとうございました。