2009年に発表されたIWC製キャリバー89800は、デジタル日付表示の定義を塗り替えました。永久カレンダーのトリプルディスク機構は大型の日付表示と月表示を備え、閏年の周期がやや控えめに表示されています。そして、すべてのディスクが巧妙に同期して作動します。キャリバー89360を土台とするこのIWC製クロノグラフ・ムーブメントは、カレンダー機能を搭載してサイズが拡大されただけでなく、「スピットファイア・パーペチュアル・カレンダー・デジタル・デイト/マンス」の心臓部に組み込まれ、今まさに大空に向かって飛び立とうとしています。
IWC製キャリバー89800は、最先端の時計製造技術を示す好例といえます。このキャリバーには、決して人目に付かない部分にすら入念なペルラージュ装飾が施されています。ブリッジの下にある永久カレンダーは外部からの調整を一切必要とせず、月ごとの日数の違いを考慮に入れて機械的にプログラムされています。
これらの2枚のディスクは月を示します。最も極端なケースでは、12月31日に3枚のディスクを同時に前進させなければなりません。これには多くの動力が必要となります。そのため、キャリバー89360は非常に特殊な機構を備えています。すなわち、ゼンマイを搭載したレバーがカムによって毎日少しずつ押し上げられ、最終的に一気にスタート位置に戻るという仕組みです。この時に放出されるエネルギーが別のレバーを通じて伝わり、月末に行われるディスクの切り替えを補助します。
日付表示を司る2枚の穴空きディスクは、カレンダー機構の輪列で制御されます。文字盤の左側に配置された窓に正確な日付が1~31の数字で表示され、簡単に読み取ることができます。この写真の日付は1月18日であり、月を表す「1」が文字盤の反対側にあるディスクに示されています。
キャリバー89360の永久カレンダーは、365日ある通常の年と閏年とを区別できます。4年周期で巡る閏年には、文字盤上のセコンドダイヤルにある窓にLEAP YEARの頭文字「L」が赤い文字で表示されます。この写真の例では、3枚のディスクで2009年または2013年(L+1)1月18日が表示されています。なぜならば、2008年と2012年が閏年だからです。
文字盤上の3つの表示を同時に前進させることは、容易ではありません。物理的な法則を変えることは不可能ですが、 私たちはそれを巧みに利用することに成功しました。
レッドゴールド製ケースにIWC製キャリバー89800を格納した「スピットファイア・パーペチュアル・カレンダー・デジタル・デイト/マンス」は、IWC「パイロット・ウォッチ」コレクションの別ラインである、英国の伝説的な戦闘機の名を冠した「スピットファイア」シリーズの主力モデルです。このモデルの機械式クロノグラフ・ムーブメントは、12時位置の積算計で時と分を、またチャプターリングで秒を記録します。さらに、フライバック機能も搭載しています。自律的な永久カレンダーは大型の日付表示と月表示を備え、6時位置には控えめな閏年表示が配置されています。この自動巻きムーブメントは、振動数28,800回/時、52石、68時間パワーリザーブという技術仕様になっています。
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