時を告げる魅惑の音色

ポルトギーゼ・ミニッツ・リピーター

日付2015-01-17T08:00:02

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IWC Portugieser Minute Repeater
—Reference IW544901

時計製造における最も高度な複雑機構のひとつを搭載した「ポルトギーゼ・ミニッツ・リピーター」は、精緻なメカニズムを好む時計愛好家を魅了し続けています。このモデルは、プラチナ製と18Kレッドゴールド製の各500本限定生産です。

ミニッツ・リピーターは、数ある複雑機構の中でも最も洗練され、感情に訴える特別な魅力を持っています。2つのゴングが奏でる透き通った音色は、あえて懐かしさを感じさせる響きになっています。このノスタルジックな音は、時計塔の鐘が鳴ると人々が手を止めてその回数を数え、時刻を確かめていた古い時代を思い起こさせます。高音が15分単位の分を、低音が1時間単位の時を知らせます。この原理は、17世紀に初めてポケットウォッチに応用されました。その後、20世紀初頭に腕時計に取り入れられ、続いて分を知らせる機能が付加されました。ペースの速い現代社会では、人々は常に騒音にさらされており、教会の鐘の音に耳を傾ける人は少なくなりました。夜になれば、いつでも電灯や蛍光針に頼ることができます。それにもかかわらず、「ポルトギーゼ・ミニッツ・リピーター」(Ref.5449)は、1995年から時計愛好家たちを魅了し続けています。記念すべき節目を迎える2015年、このタイムピースはその栄光にふさわしい脚光を浴び、プラチナ製500本、18Kレッドゴールド製500本の限定モデルが登場します。

手首の上のオーケストラ

特許を取得したこのミニッツ・リピーターは約250個の部品からなり、まるで機械的なオーケストラのように調和して作動します。リピーター・スライドが押し下げられると、2つのハンマーが、その設計の中核をなす2つのスティール製ゴングを打ち鳴らします。低音(Bフラット)のゴングの打数が、12時間表記における1時間単位の経過時間を知らせます。次に、高低音2つのゴングをそれぞれ連続1回ずつ打つ音で、その時間から経過した15分単位の分を知らせます。その15分から経過した1分単位の分を告げるのが、高音のゴングです。「オール・オア・ナッシング」と呼ばれるその仕組みにより、リピーター・スライドが完全に押し下げられた時にのみ、ゴングが鳴るように制御されています。このモデルは、1930年代に発明され、それ以来継続して開発、改良、近代化が行なわれた、ハンタースタイルのキャリバー98950ポケットウォッチ・ムーブメントを搭載しています。サファイアガラスのシースルー裏蓋からは、ひげゼンマイを効率的な長さに正確に調整する長い緩急針など、初期のF.A.ジョーンズ・キャリバーの特徴的なスタイルを鑑賞することができます。ニッケルシルバー製の地板や3/4輪列受には、それぞれペルラージュ仕上げのエングレーヴィングとコート・ド・ジュネーブ装飾が施されています。

IWC Portugieser Minute Repeater

このモデルは、プラチナ製と18Kレッドゴールド製の各500本限定生産です。

ミニッツ・リピーターの完成までの険しい道のり

1980年代後期、IWCは、「グランド・コンプリケーション」や「ポルトギーゼ・ミニッツ・リピーター」に搭載されている極めて複雑なリピーター機構の開発に、50,000時間を費やしました。自社製ムーブメントを設計および製造する企業として認められるために、IWCシャフハウゼンがどれほど努力を重ねたかは、ミニッツ・リピーターの開発期間にまつわる2つの逸話が雄弁に物語ります。ミニッツ・リピーター機構が完成し、機能するようになっても、デザイナーたちはゴングの音量に満足していませんでした。彼らは、サファイアやセラミック製のゴング、極小の増幅パイプ、音響のための穴などあらゆる対策を試しましたが、どれも望むような解決策にはなり得ませんでした。最後の手段として、ケース部門の責任者がシャフハウゼンの玩具店に出向いて子供向けのオルゴールを購入し、その音響の秘密を解明するために分解しました。これによって、ゴングが振動を伝達するには、かなりの空間が必要であることが判明しました。つまり、ケース自体が共鳴箱としての役割を果たし、音を外部に伝えるというわけです。そこで、内部の空間を連結させるために地板を削り、必要なスペースが生み出されました。それに加え、ケース上部が膜として機能し、システムの音響を向上させます。高級時計界で最も高度な複雑機構のひとつであるミニッツ・リピーターにインスピレーションを与えたのが、子供用のオルゴールであったというささやかなエピソードは、シャフハウゼンのエンジニアたちの柔軟性と想像力を紹介するぴったりの例と言えます。

ベートーベンか、ワーグナーか

ここで、IWCのエンジニアたちは、2つのゴングの音域と音調に目を向ける段階を迎えました。2つの音は、ひとつの音階、すなわちモチーフを奏でることになります。これらのゴングの調律には、やすりと砥石が用いられます。ゴングの長さ、そして各ゴングの長さの差が大きな意味を持ちます。さて、未来のタイムピースにふさわしい、1時間単位の時、15分単位の分、1分単位の分を告げる響きとは?空虚五度の和音で始まる、ベートーベンの「交響曲第9番」のオープニングのような音でしょうか?それとも、4度和音がせり上がる、ワーグナーの「タンホイザー」の冒頭のような音でしょうか?この責務をまかされた時計職人は2つのコンサートに行き、結論を出しました。最終的に「タンホイザー」が選ばれ、ミニッツ・リピーターの音階が決定されました。もしかしたら、「タンホイザー」の「夢の中で、私は喜びに溢れた鐘の音を聞いたようだ」という歌詞が、彼の決意を確固たるものにしたのかもしれません。いずれにせよ、彼の努力は、快く響く音として今もなお残っています。

Further Information

IWC Schaffhausen Public Relations
E-mail press-iwc@iwc.com

ポルトギーゼ・ミニッツ・リピーター

IW544906 ∙ IW544907

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特徴

  • 機械式ムーブメント
  • 1時間、15分、1分単位のミニッツ・リピーター
  • 秒針停止機能付きスモールセコンド
  • アームに超精密調整カムの付いたグリュシデュール®*ベリリウム合金製テンプ
  • ブレゲひげゼンマイ
  • サファイアガラスのシースルー裏蓋
  • 3/4輪列受
  • プラチナ製および18Kレッドゴールド製各500本限定生産

ムーブメント

  • IWC自社製キャリバー: 98950
  • 振動数: 18,000回/時(2.5 Hz)
  • 石数: 52
  • パワーリザーブ: 46時間
  • 巻上げ機構: 手巻き

時計

  • 素材
    • Ref.IW544906: プラチナ製ケース、シルバーメッキの文字盤、ブラックのアリゲーター・ストラップ、プラチナ製フォールディング・クラスプ
    • Ref.IW544907: 18Kレッドゴールド製ケース、シルバーメッキの文字盤、ブラウンのアリゲーター・ストラップ、18Kレッドゴールド製フォールディング・クラスプ
  • ガラス: アーチ型のエッジと両面反射防止加工を施したサファイアガラス
  • 直径: 44mm
  • ケース厚さ: 14mm

* IWCシャフハウゼンは、商標「グリュシデュール®」の所有者ではありません。

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